バイナリーオプションで「逆張りの手法」としてよく使われるインディケータに、『ボリンジャーバンド』があります。
ボリンジャーバンドのバンド内に収まる確率が高いのにもかかわらず、それを活用しても勝率が上がらないのはなぜなのでしょうか?
今回は『ボリンジャーバンド』の見方と、その活用法について解説していきます。
『ボリンジャーバンド』を知らない初心者さんでも、理解して活用できるようになれるように、基本から解説していきます。
ボリンジャーバンドを使った3つの相場状況
ボリンジャーバンドを使う上で、最低限の知識として知っておいてください。
ボリンジャーバンドには、基準となる線「ミドルライン」と、その上下に広がっている「バンド(偏差)」で形成されています。
ミドルラインに近いところから外側に向かって偏差1、2、3となっています。
この偏差は「シグマ(σ)」と呼ばれていて、それぞれ「σ1」「σ2」「σ3」と呼び、上のラインには「+(プラス)」、下のラインには「ー(マイナス)」を付けて呼ばれています。
偏差は「標準偏差」のことで、データや数値のばらつきの大きさを表わす指標のことです。
それでは「ボリンジャーバンドの相場状況」の見方には、以下の3つを覚えておいてください。
✅スクィーズ
✅エクスパンション
✅バンドウォーク
次にそれぞれについて、詳しく解説していきます。
スクィーズ
『スクィーズ』を直訳すると「搾る・押しつぶす」という意味であり、値幅が狭くなり、売りと買いが均衡して方向性が曖昧な状態をいいます。
このスクィーズ中は、エネルギーを溜めている段階で、後にバンドが拡がった時(エクスパンション)に溜めていたエネルギーが爆発して、相場に勢いが生まれると良く言われます。
なので、勢いが出始めたら、その勢いに乗ろうと取引されるトレーダーさんが多いのは確かです。
しかし、スクィーズ後に必ず勢いが増すということはないので、情報を鵜呑みにしないよう注意してくださいね。
エクスパンション
『エクスパンション』を直訳すると「拡大・拡張」という意味であり、価格が一方向へ勢力を増し、急激に上下に拡がっていく状態をいいます。
基本的にエクスパンションは、スクイーズの後に発生しやすい特徴があります。
つまり、トレンドの初動に見られることが多い現象です。
そして、エクスパンション発生直後は勢いがあっていいのですが、その反動として大きく反発する相場もあるので、「どの辺りで値動きが落ち着くのか」を想定しておかなければならないということを覚えておいてください。
エクスパンションで拡がった上下のバンドが縮まってきたら、「そろそろトレンドの勢いが落ち着く」「そろそろ値動きが緩やかになる」という目安にしておくと良いでしょう。
すなわちボリンジャーバンドが、「スクイーズ」から「エクスパンション」と状態が変わったら、バンド幅が縮まらないうちは勢いが続いていてチャンスだと覚えておいて良いでしょう。
バンドウォーク
エクスパンションから勢いのあるトレンド相場を形成し、拡がったバンドに沿ってローソク足が推移していく現象を『バンドウォーク』と言います。
バンドウォークが発生すると、値動きが一方向に推移していく特徴があるので、一般的には「順張り」でエントリーを狙っていけるポイントです。
しかし、その状態がいつまで続くかは判断できないので、バンド幅に注意しておく必要があります。
ボリンジャーバンドの偏差内に収まる確率?
『ボリンジャーバンド』の情報を調べてみると、結構「逆張り」の手法が多く見つかります。
殆ど、偏差(±σ)内に収まる確率が・・・って言ってます。
つまり、
✅偏差1(±1σ):バンド内に価格が収まる確率は「68.3%」
✅偏差2(±2σ):バンド内に価格が収まる確率は「95.5%」
✅偏差1(±1σ):バンド内に価格が収まる確率は「99.7%」
偏差の算出
「偏差」は標準偏差のことで、簡単に説明すると、データや数値のばらつきの大きさを表わす指標のことです。
この「偏差」はバンド内に価格が収まる確率と言われており、「正規分布」の考え方を用いて算出しています。
しかし、この考え方こそが相場に適してないのです。
正規分布とは、
同じ条件下で得られたバラツキのある事象の発生頻度を調べてみると、中央の値の発生頻度が最も多く、それを中心に左右対称で発生頻度が少なくなる(釣鐘状になる)という現象です。
そもそも相場は、トレーダーや投資家などが2国間の通貨を売買することで値動きが生じます。
売買するトレーダーは、取引時の各通貨の価格や 過去チャートから得られる今までの値動きを観ながら売買しています。
また、トレーダーの心理的要因が影響したり、経済指標などで予測をして売買が行われています。
つまり、「同じ条件下」とは言い難いので、正規分布から逸脱してしまうのです。
注意点
「偏差」の数値は、設定した期間内の移動平均線で算出しています。
そこに限定的な過去のデータを元にしていますので、将来の株価が必ずその確率に収まるというものではありません。
なので、ボリンジャーバンドの各偏差(σ)内に収まる確率を信じ過ぎることは注意が必要です。
トレードに役立てる手法5選
ボリンジャーバンドの各偏差(σ)内に収まる確率が信じられなければ、使えないインディケータなのか?・・・ということではありません。
なのでここからは、
『ボリンジャーバンド』を活用したトレード法を解説していきます。
ボリンジャーバンドを上手く活用するためには、『相場状況の把握』は欠かせません。
『相場状況の把握』については、以前、移動平均線を使って解説しましたので参考にしてください。
スクィーズ発生時に絞って相場状況を把握
スクィーズが発生していたら、その相場が「レンジ相場」や「停滞相場」であれば、その後の変動が予測しやすいです。
- レンジ相場:価格が一定の幅で推移している相場
- 停滞相場:値動きが小さく、方向性のない相場
このスクィーズの相場状況が確認できたらチャンス到来です。
それでは、そのおのおのの相場状況におけるアプローチ方法について解説します。
レンジ相場のスクィーズ
一定の値幅で推移しているレンジ相場であれば『逆張りのチャンス』です。
レンジ相場のメリットは、天井もしくは底が意識しやすい点なので、一定の値幅に近づいた(もしくは越えた)時に、進行方向とは反対の『逆張り』を狙います。
ボリンジャーバンドのバンドは、移動平均線と同じく抵抗としても意識されるので、より根拠立てたエントリーが可能と言えます。
停滞相場のスクィーズ
停滞相場であれば、方向性が曖昧なので無暗にエントリーするにはリスクが大きいので控えましょう。
なので、エクスパンションを待って、バンド幅がグッと拡がり「バンドウォーク」を確認したら『順張り』を狙うのが良いでしょう。
エクスパンションして勢いが強くなったからといって、バンドウォークするとは限りませんが、突発的な値動きには注意が必要です。
『順張り』狙いのアプローチ
トレンド相場では、バンドがどんどん拡がってローソク足がすっぽりとバンド内に収まってくるため、正直言って「どこまでトレンドが続くのか?」が予測できません。
でも、バンドウォーク中は順張りの大チャンスなので、是が非でもエントリーしていきたいものですよね。
そこで、私が使っている見極め方をお話ししますので、参考になれば使ってみてください。
理想的なエントリータイミングを見極めるために、今まで見ていた5分足ではなく、1分足のチャートに切り替えます。
つまり、5分足で見ていたバンドウォークの範囲を、細かい1分足で表示します。
すると、ボリンジャーバンドとローソク足の位置関係がより細かく観察できます。
同じボリンジャーバンドでも時間軸を切り替えると相場の見え方が変わり、そこから読み取れる情報も変わります。
それでは、この1分足表示のチャートをどんな視点で見て、エントリーを狙っていくのかを説明します。
ミドルラインを基準に『順張り』を仕掛ける
1分足表示のチャートで、エントリータイミングを見極めるのは、『ミドルライン』と『ローソク足』だけです。
狙い方はトレンド相場の方向に合わせて『順張り』を仕掛けます。
そう、めちゃくちゃシンプルですよ!
なぜなら、バンドウォークの勢いは云わば、「トレンド相場の勢い」であり、ボリンジャーバンドのミドルラインは移動平均線と同じだからです。
つまり、『グランビルの法則』に従ってエントリーすることこそ、負けのリスクを減らす最適なエントリーなのです。
さいごにまとめ
言い忘れましたが・・・
バンドウォーク中のエントリーですが、私が実践している決済時間は、少し余裕をもって10分くらいでトレードしています。
トレンド相場中であっても、価格は上下に変動しながら進むので、少し下がることを考慮しての決済時間です。
また、1分足のチャートだけでなく、5分足のチャートも確認しながらエントリーポイントを狙うことを忘れないでくださいね。
いつもよりかなり長めだったので、最後までご覧いただいた人はちょっと疲れたのでは・・・?
ではさいごに今回のまとめです。
ざっくりとまとめると、ボリンジャーバンドの偏差内に収まると言われている確率は置いておいて、ボリンジャーバンドの『3つの相場状況』が大事です。
これを知った上で正しい使い方をすれば『順張り』でも『逆張り』でも狙えるテクニカル分析が可能になります。
✅スクィーズ
- レンジ相場 ・・・逆張り狙い
- 停滞相場 ・・・エクスパンション待ち
✅エクスパンション
- バンド幅が縮まらない限り勢いは続く ・・・順張り狙い
✅バンドウォーク
- 1分足表示で順張り狙い
『ボリンジャーバンド』についての理解は深めることができましたか?
「順張り」「逆張り」のどちらにも使えるインディケータであるのはもちろんですが、そこから判断できる相場状況で仕掛けることで、勝率を上げるチャンスがそこにあることも分かっていただけたことでしょう。
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また、お会いしましょう!!!